\高橋藍、初めてのフォトエッセイ発売/

火の鳥の葬式にファンは参列つもりはない。もう誰も埋もれるな!!蘇ろ! #火の鳥NIPPON

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ひよこだって羽は自分で広げるもんなんだよ

今の早くて低いバレーに苦しんでいる選手たちの中でも、特に古賀選手の姿を見ると、打っても打っても決まらない大スランプに陥った頃の木村選手の姿と重なってしまう。

メディアの取り上げられ方然り。
リオ五輪に出られなかったドラマはメディアとしても格好の材料だもんね。

火の鳥の葬式にファンは参列つもりはない。もう誰も埋もれるな!!蘇ろ! #火の鳥NIPPON
出典:FIVB

木 村:ワールドカップの前くらいまでは、ずっと調子が悪くって、スパイクはどうやって打ってたんだろうって思うくらい、忘れてしまったというか…。
(中略)
木 村:トスを早くすることによって、その高さで自分の良さをどう生かして良いかが分からなくなってしまって。打ち切れるスパイクがなくなってしまいました。こんなにずっとやって来ていたのに、こんなにいきなり出来なくなるんだなって思いました。

引用元:アスリートのチカラ 第15回 木村沙織

そんな苦しい状況を木村選手は自ら変えていった。

高いトスを要求した石川選手のように、古賀選手や他の選手も「今のチームの方針はどうかと思う」とまではいかないにしても「こうしたい。こうして欲しい。」というのは、少しでも言えないものだろうかと思わずにはいられない。

火の鳥の葬式にファンは参列つもりはない。もう誰も埋もれるな!!蘇ろ! #火の鳥NIPPON
出典:FIVB

確かに代表監督がそれを待ってしまうのは問題ありだが、中田監督も言っているように「自分たちで考えてプレーできる選手になってほしい」というのは、中田監督世代ならわからないでもない気がする。

画面越しに観ているファンの中にも、もっとこう「自分たちで何かを変えたい!もう悔しい想いはしたくないんです!」という熱意が選手たちから伝わってこないという人も多いのではないだろうか。

中田監督と長年一緒にプレイをしてきた岩坂キャプテンや新鍋選手、石井選手、ベテランの荒木選手もいるじゃないか。選ばれなかったメンバーが「こんなチームこっちから願い下げだっ!」と言うことはないだろうが、この3年間、何かメンバーの意識が変わるきっかけになる出来事はなかったのか。

火の鳥の葬式にファンは参列つもりはない。もう誰も埋もれるな!!蘇ろ! #火の鳥NIPPON
出典:FIVB

日の丸の影に隠れて忘れてしまいがちだが、彼女たちも立派な社会人で、それぞれが所属している企業の社員がほとんどだ。会社のマスコット的な存在で甘んじてるならいいかもしれないが、なんなら世界を相手にグローバルな仕事をしているわけである。

日本の企業なら通用するかもしれないが、海外の企業だと「何も言わない奴は何も考えてない」と判断される。ただでさえ、バレーボールは選手寿命が短く、現役を引退し、バレー経験しかないまま一般人になるというのがどれだけ大変か先輩たちが語っているじゃないか。

「久美さんのために」と言うのであれば、「久美さんのために」選手がもっとこうしたい、ああしたいというのを積極的に伝えて、「久美さんのために」勝たなきゃ。自分たちで火の鳥NIPPONの形を作っていかなきゃダメだろ。とつい思ってしまう。

リオ五輪OQT、木村沙織の背中に生えた火の鳥の羽を、選手たちが一番近くで見ていただろう。

卵を割らなければオムレツは作れない。
殻は自分たちで打ち破るんだ。ひよこだって羽根は自分で広げるんだ。

自分から埋もれていくなよ!!!

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